建物自体は存続することとなったが、回転展望台としての役目は2018年3月25日をもって終了となる。
2016年12月31日には回転展望レストランだった「ふくの関火の山店」も閉店し、取り壊しとなってしまったし、2014年6月30日には日本海タワーも回転展望台としての役目を終えてしまった。
どんどんと回転展望台が無くなってしまう中で、半世紀以上も回転し続けた展望台の最後を見届けたい。そんな想いで私は手柄山へと向かった。
姫路駅から手柄山ループバスに乗り、手柄山中央公園に到着したのは9時40分ごろ。
家族連れで並んでいる人が多く、小さい子供は元気に走り回ったり、お絵描きしたり、ゲームしたり、、パフェが食べれるという喜びを爆発させている子供たちもいた。
同じく回転展望台のオープンを待っていた客は私一人だった。
そして、まだ回転していない展望台を見上げてみると取材カメラが行列のお客さんたちを映してる。そして慌ただしく営業の準備をしている店員さんの姿も見えた。
展望台の電気が灯り、展望台がゆっくりと回転したのが見えた。
最後の営業開始を告げるように重そうな扉が開くと、扉付近にいた人が一斉にシャッターを切っているのが見える。
1人で少しづつ少しづつ進む列を噛みしめる。
私が手柄ポートに着いたのは午後2時。実に並び始めて4時間後だった。
喫茶 手柄ポートのメニューが見えてきた。
この食品サンプルでのメニューが味があって、そしてなんだかちょっぴりワクワクする。
最後の味、、何をいただこうかと悩んだ挙句、大好きなカレーとチョコレートパフェを注文した。
通された席は、近所に住む親子の方と相席。
とても気さくな方で、この回転展望台との思い出を聞かせていただきながら、見える景色を一緒に噛みしめさせていただいた。
そして、ありがたいことに、この後、姫路城まで車で送ってくださった。
素敵な出会いに本当に感謝だ。
まず運ばれてきたのがカレー。
とてもシンプルなカレー。
ちょっぴりスパイシーなカレー。
一口一口味わいながらおいしくいただく。
そしてチョコレートパフェ。
美しい、ザ・パフェ。
甘くて優しい。
普段パフェなんて食べないから、とても特別な味がする。
これからパフェを食べる時にはこの展望台を思い出すのかもしれない。
最後に、52年間回転し続けた床を見つめる。
本当に、本当にお疲れ様でした。
外に出たら、もうすでに入場は締め切られていた。
その後、姫路城を見てから、閉店時間にまた展望台に戻ってきた。
周囲には、もう中には入れないが最後の別れを惜しむ人が周囲に集まっている。
私もそんな人たちに交じってただただ展望台を見つめていた。
16時50分頃になると蛍の光が外のスピーカーでも大きく流れ出した。
そして17時24分、展望台の回転が止まった。
最後の回転が止まった。
また一つ、回転展望台の回転が止まってしまった。
こうして営業終了してしまう展望台を見送るのは本当に悲しい。
でも最後の最後までこの場所にいれたことを胸に、いつまでも忘れずにいたいと思う。
本当に本当にお疲れ様でした。
そしてありがとう、手柄山中央公園 回転展望台「手柄ポート」。
手柄山中央公園 回転展望台「手柄ポート」
高さ:24m 展望室の高さ:--m
【場所】 兵庫県姫路市西延末440
【アクセス】
山陽電気鉄道本線 手柄駅 徒歩10分
JR神戸線姫路駅南口から神姫バスで約5分「中央公園」下車すぐ
【オープン日】 1966年4月3日
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